さて、発病から約8か月で職場に復帰したわけですが、その時から、自分は「脳梗塞を患ったことで、変化してしまった自分の体と付き合いながら生活すること」と向き合うことになりました。

それは、以下のようなことを毎日行うことです。

・定められた薬をきちんと服用する。
・体重、血圧、脈拍を毎日朝夕計り、記録して、病院に行くたびに主治医の先生に報告して自分の体の状態を知る。
・失われた平衡感覚を補えるよう、筋力を強化し、継続的にトレーニングする。
・食生活を改善し、野菜中心の生活に変える。
・通勤や移動には注意を払い、急がずあわてずに動くことを心がける。

実は今でも、この「病気後の自分の体との付き合い方」については試行錯誤しています。
生活を変えるのは、何よりも再発防止のため、そして、脳梗塞によって失われた体の機能を補って毎日の生活を送るためです。

会社復帰を果たした今、いつまでも病人扱いではいられません。
でも、今の自分にできない、かつては簡単にできていたことがあるのも、また事実です。

そして、上に書いた生活の改善点は、あくまで「生活の改善、或いは再発防止のための努力目標」です。

これに「仕事」ということを加えると、課題はさらに増えます。

集中力の低下、スピーディーな作業の難しさ、数字や文字に対する注意力の低下。

こうしたものは、脳梗塞によって壊死してしまった脳の部位が本来司っていた能力の部分です。

健常者として仕事をする以上、これは克服すべき課題です。

ましてや、自分は役員です。

下の人間に仕事をやってもらってはいおしまい、という立場ではなく、自分のやった仕事を別の人間にも確認してもらいつつ仕事を進める、という立場でもありません。逆に部下の仕事をチェックしたり、会社全体に目を配って仕事をする必要があります。

ともあれ、こうした改善点や努力目標や課題と向き合って、乗り越えていくことが自分の日課になりました。

現実から目をそらしていては、前に進めませんから、当然です。

こうして、仕事に復帰した自分が、病気と付き合っていくためには、「現実と向き合って一つずつ課題をクリアしていくこと」が必要でした。

でも、言うは易し、行うは難し、であるというのは、今知らされています。

実にいろいろな「うまくいかないこと」がありました。

それを少しずつお話ししたいと思います。

[2015.06.13]