退院から1か月半が経過した8月お盆明けから、週に3日、出勤することになりました。但し、時間は13時から夕方まで、ラッシュを避けて通勤するためのシフトを組んで貰いました。

これは、退院前から、主治医の先生と私の勤める会社の社長の間で、私の回復状態を確認して決めたことで、7月の初めから、週に一日ずつ、午後の数時間ずつ会社に出勤していました。

これは、私の勤める会社が社員10人程度のアットホームな会社で、なおかつ私が役員であったためにできたことだと思います。
このような緩やかな通勤シフトを了解してもらい、理解してくれた周囲には感謝してもしきれません。

実際、出勤すると、仕事に復帰できた嬉しさと、以前の記憶が残っているため、ついつい頑張り過ぎてしまい、疲れをため込んでしまうことになるため、こうして緩やかに業務に復帰できたことは幸運でした。

また、電話で喋ること、取引先の人と会うこと、商談をすること、決まった時間に訪問先に行くこと、仕事としてやること全てが、以前のようにはいかなくなりました。

そこで、通勤に関しても、仕事に関しても、一つの行動指針を決めました。

「焦らないこと、急がないこと」

これだけです。逆に言えば、退院から今に至るまで、自分は「急ぐことができない」状態ですから、焦って急げば、怪我のリスクが高まります。

なので、電車が目の前で発車しそうでも、アポイントにちょっと遅れてしまいそうでも、急ぐことはやめています。
優先しなければならないのは、自分の身の安全です。
青信号が点滅しそうであれば、迷わず待つことにしましたし、約束の時間に遅れそうなら、すぐ電話をしてその旨を伝えることにしました。

そして、それ以上に、時間に余裕を持って行動することにしました。
以前は30分で行けた訪問先には、45分前には会社を出て行くことにしました。
いつもより30分早く出勤したいが、その時間だとラッシュにかちあってしまう、という時には、ラッシュ前に出勤するようにしました。

駅ではみんなが急いでいます。自分が注意深く歩いていても、ぶつかられることもあります。
実際、電車に乗ろうとして押され、転びそうになったこともありました。

とにかく、この頃の自分は、生活の全てに注意を払っていました。

それに、リハビリの頃から、リハビリスタッフに言われていたことがありました。

「スマホを操作しながら歩くことは危険ですし、最初はできませんよ」

脳梗塞の患者の特徴の一つに「並行していくつものことができない」という点があります。
「スマホを操作しながら歩く」
「パソコンを打ちながら会話をする」
こうしたことは、退院直後にはできませんでした。

これを認識して行動することが必要でした。
例えば、歩いているときにスマホに電話がかかってきても、ちゃんと止まってから会話をする、といったことを徹底しました。

こうして、出勤を再開した当初は、以前の自分との違いを日々感じながらの「リハビリとしての通勤」の日々となりました。

ただ、精神的には、すごく前向きでやりがいを感じていました。
自分の復帰を喜んでくれる人、久しぶりに会って、積もる話に興じる人、私が療養している間に、仕事をカバーしてくれた同僚、上司、そうした人と再び会社で接することができるようになった喜びは、何にも代えがたいものでした。

■参考HP
 ・働き盛りの健康3 病気休職からの復職

[2015.04.11]